17話あらすじ
シオを含めた同期達が教室へと入り、決められた自分の席へとついていく。
そして皆が席に着いたころ、シオ達86期生を受け持つ副担任5名が壇上へと
上がり自己紹介を始めた。シオ達27名(うち1名欠席)をこれから1年間
預かり共に勉強していくことになるとのこと。
そして副担任達の紹介が終わり、教室に一人の女性が入ってきた。
見習い教育の主担任、イシュトア=セロス。
壇上へとたつとはじめに大きな声で挨拶をしましょうと見習いに促す。
よろしくお願いします。と挨拶するシオ達だが、声が小さいとイシュトアに
駄目だしされ、もう一度繰り返す。
何度か繰り返した次の瞬間、教室全体が震え上がるほどの大声で小さいと
怒鳴りつけシオ達に向けてこう言った。
「見習いの心構えとは、私が答えろと言えば答え、立てといえば立ち、
黙れと言えば黙れ。まずはそこからだ」
イシュトアの印象は地鳴りのようで、シオには彼女が大樹の大精霊のように
大きく見えていた。
その後、見習い全員に答案用紙が渡され実力テストが行われた。
同期達は次々と問題を終わらせて、提出していく中、シオ、オウガ、メディナが
時間に終わらない問題児として残った。
想像はついていたが、この差をどう埋めていけばよいのか悩むシオ。
一方、テストが終わった者は教室を退室していき、広間で
雑談しているものたちもいた。
その中に一人の女性が加わる。彼女の名前はソフィ=シュイム
という名前だった。
17話感想
17話感想です。よろしくお願いします。
前回はいざ司書見習いとして始めて教室に向かったところで終わりました。
その続きとなります。
アフツァック中央図書館
アフツァックにはどれくらい司書がいるのか。今回それが明らかになりました。
1000人とのこと。さらにそれに司書の元で働く準職員である従者が4000人。
計5000人が勤めているようです。そして司書試験を突破した者は
1年間見習い期間として、業務を学んでいく流れとなります。
現代社会で例えるなら規模も体制も整ったかなりの大企業と言えますね。
しかも図書館の大魔術師の世界は大陸の狭さや文化から考えて、ここまで
大きな組織はもしかしたら他に見ないレベルかもしれません。
だからこそ書の流通を支配できているのでしょう。
しかし従者は初めて聞く設定ですね。
15話では司書達がある街の調査を行っている場面が書かれていましたが、
よく見ると司書の白い外套をつけていない者達が多くいたので、
彼らが従者なのかもしれません。
見習いを導く担任、副担任達
上の5人がシオ達86期生を受け持つ副担任達です。
ホピ族とセラーノ族を除いた特領民族で構成されていますね。
というか、今までホピ族一人も出てきませんね。
黒の書と言う虐殺事件の被害種族でもあるのでそれが関係しているかとも
思いますが、どうなのでしょうか。
話を副担任達に戻しますが、第1印象としては、エダンとレッドウは
しっかりとした感じ、カイザとホラミスは親しみやすそう、
ラブタベスはちょっと気難しそうな印象です。
彼ら副担任は司書室と呼ばれる室に所属しておりこれから1年、
見習い司書を1人前にするために共に勉強していくそうです。
そして、レッドウが興味深いことを言っていました。
見習いは27名、訳あって1名いないとのこと。
もしかして精霊襲撃者の犯人は既に捕まっていたりするのでしょうか。
ただ、あんな犯罪めいたことをしたのがばれたらさすがに司書として
認められないでしょうからおそらくは違う理由で
1名いないのではと思いますが。
しかし27名もいるんですね。まだ出てきていない見習いもいますね。
はやく全員分のプロフィールを知りたいです。図書館の大魔術師は設定を
作りこんでいるのがよく分かる作品なので、同期達もたぶん細かく設定
しているんだろうなと楽しみにしています。
そして担任のイシュトア。
上のように一見やさしそうに見えるイシュトアですが、この後教室が
震え上がるほどの大声で怒鳴り、私の言うことを聞くのがお前達の
最初の心構えだと言います。
どこか浮き足立っていた見習い達も気を引き締めているようですし、
多分わざとこういった態度で接しているのでしょう。
現代で例えるなら新入社員の研修を担当しているようなもので
もちろんこんな風に大声で怒鳴るなんて昨今ではやりませんが
ただやさしいだけでも、うまく育たないのが育成の難しいところですから。
やさしさの中に厳しさもあるから、まじめに取り組むわけで、イシュトアは
厳しく接し、周りの副担任達がフォローを入れていくみたいな感じでしょうか。
また少し話は変わりますが、 レッドウ、イシュトア、後多分エダン?は
司書試験にも登場していましたね。
司書室の役目として、見習いの担当のほかに司書試験の監督も
含まれていそうです。
実力テストの結果
そして副担任、担任の紹介が終わるとさっそく実力テストを
行うことになりました。
テストが始まったとたん同期達の空気は一変。
談笑していた柔らかな雰囲気は消え、張り詰めた空気に変わりました。
さらに実力テストが時間内に終わらなかったシオ。
同じく終わらなかったのがオウガとなんと周りに平伏しなさいと
凄んできたメディナでした。
あの堂々たる態度から相応の実力を持っているとばかり思っていたのですが
どういうことなのでしょうか。
ただ司書試験を突破している以上、メディナにも長所が必ずあるはずですし
今後の描写に期待したいですね。
シオも周りに比べて学力が大きく劣っていることが分かり悩ましい表情ですね。
もちろん、覚悟していたことだと思いますがそれでもだいぶ堪えていそうです。
ただ、ガナンの親方も言っていましたが、 脳はどこまでいっても肉体の奴隷 。
見習いの中でシオはダントツで体力に優れていますから、それを活かして人より
多くの努力を重ね、周りから吸収していければ勝機はまだまだあるのではないでしょうか。
オウガについても、彼女にはすぐれた観察眼があり処世術に長けていますから
これからしだいで大きく化ける気がします。
メディナとマドハ
前回、前々回と衝突していた二人。じつは席も隣同士で何かと縁があります。
そして、課題が終わらなかったメディナをここぞとばかりに煽るマドハ。
ここだけ見ると性格が悪いようにも思えますが、マドハにはマドハの
こだわりがあるようで
人を蔑む時は常に1対1でなければならない。
とあくまで他の者は寄せ付けませんでした。よくあるよってたかって大勢で
責め立てるといったことは好まないようです。
そういった意味ではメディナが先に挑発している以上、やり返しただけとも
言えますし、むしろ裏表を感じないいい印象を抱きました。
そして教室から出て行ったマドハと同僚のヤコですが、ヤコがメディナに対して
何か言おうとしたときのマドハは上のように陰口はよくないと諭します。
前回でスモモが気に入りましたが、マドハもいいキャラしていますね。
なんというか人を引っ張っていくリーダー気質な気がします。
気さくなところとか、人を思いやるところとか
(メディナが首飾りをつけて講義に出た際に、先輩にいびられるから
やめたほうがいいと忠告している)。
これからもきっとマドハとメディナは衝突していくでしょうし、
もしかしたらそのやりとりがきっかけでメディナが変わっていったり
するかもしれません。
今後の二人のやり取りが楽しみです。
ソフィ=シュイム
最後の雑誌のコメントにこの名前、どこかで…?と出ていたので
どこかで出てきた名前なのかなと思って探してみたら
図書館の大魔術師には原作:風のカフナというものがありその著者の名前が
ソフィ=シュイムでした。
この話って原作あったんだ?ってことなのですがおそらく風のカフナは
現実には存在しない架空のものかと思います。
というのも風のカフナで検索してもまったく影も形も出てこないんですよね。
また、これは少しメタ的な証拠になってしまいますが
単行本の最後の提供には、著者:泉光 としか書かれていないからです。
原作が存在する場合は、ちゃんと原作の表記がされるはずなので。
ならこの風のカフナとはいったい何なのか?といったことになるのですが
私は以下のように思っています。
①風のカフナはソフィが書いた小説でセドナが主人公のノンフィクションの物語。
②図書館の大魔術師は風のカフナのスピンオフ的な位置でシオが主人公の物語。
図書館の大魔術師ではキャラクター視点での心理の描写以外にも第3者視点の
書き手のような語り描写が存在している。⇒図書館の大魔術師自体が
ひとつの小説であるからであり、それを今自分達は見ている。
こんな風に現時点では想像しています。
今見ているシオ達の物語は既に起こった出来事で、それが伝わり
小説にまでなった。それを今自分達は読者の視点で見ているといった感じ。
まあ、ただそうすると1点自分でも納得できていない部分がありまして。
図書館の大魔術師
画:泉光
原作:風のカフナ(著:ソフィ=シュイム、訳: 濱田泰斗 )
この訳の人物はどういうことなのか。
思いっきり日本人ぽい名前なので謎です。
ただソフィは今後重要になってくる人物なのは確実だと思われますし
風のカフナを書いたということなら、今後セドナとも何かしら関わってくるのか
にも注目していきたいなと思います。
今回の感想はここまでになります。
ありがとうございました!
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